ルーブルのストライキと土曜夜の無料デイ
日本ではストライキという言葉が死語になっているように思います。
こと公共的な役割の会社だと日本航空が破産前に時々やっていたような記憶があるくらいで、そもそも公務員のストライキは法律で禁じられていますからね。
ところがフランスは公務員だろうとストライキはあったりまえ。
それは突然そっとやってきます。
ここ最近はメトロでのストライキは少なくなったようですが、SNCFはしょっちゅうストライキをやり電車の運行計画が終日乱れまくり運休も続発します。結果それに振り回され一日疲れまくります。
昨年はエッフェル塔のエレベーターの運用方針の変更ですごい待ち時間が生じてしまい、結果お客からクレームとなってそれに反対するストライキが行われました。
実際に行ってみると現場は意外と静かでエッフェル塔の真下には入れるけど上がるエレベーターが止まっているという状態でした。
今年はルーブルが先月27日に予告なしでストライキを敢行しました。
Le musée du Louvre est ouvert.
— Musée du Louvre (@MuseeLouvre) May 29, 2019
En raison de l’affluence, les créneaux horaires sont actuellement complets. Seuls les visiteurs munis d’un billet avec créneau horaire peuvent rentrer. pic.twitter.com/2YeD635VK2
改装工事もやっているし、1月からの第一土曜日の夜開館で混乱しているなと思っていたから「やりよったか」という印象です。
正直ルーブルの第一土曜日の夜の開館は行かないほうがいいです。
今は日没が遅くなっているから一部館内真っ暗ということもないけど人が多過ぎるのと並んでまで入る意味は観光という短い時間で効率よくという人にはお勧めできません。
日本ですと美術館などの会場で椅子に座ってお客さんの監視とアテンドしているスタッフはほぼ派遣スタッフということが多いです。
ところがルーブルはCDIという無期限の契約スタッフ、ようは70歳が定年の社員ということです。一部産休などのスタッフの代わりにCDDという有期スタッフがいるそうです。
社員なので法律でその身分はしっかりと守られストライキをやる権利も有しております。一度雇うと会社が倒産しない限りは解雇できないのがフランスの雇用制度です。
その結果、雇用する側は社員を雇うことに負担を感じ、アルバイトという制度がないから人を雇うことを極端に嫌がります。フランスの失業率の高さは仕事がないというよりこうした雇用制度によるものだという説もあります。
でも雇用があってこその美術鑑賞だから日本ももう少しそういう場面に予算を宛てちゃんとした学術的なことをやらんとマズいだろうというのは日本の美術館へ行けばわかりますよね。
参考までにRATPやSNCFはサイトでフランス語だけによるストライキ情報が出ていますので確認されてください。施設のストライキは当日はしばらく情報が出ないことが多いから行ってクローズだったら「たぶんストライキっぽいな」と思って間違い無いです。
聞きたくても聞くスタッフすらいないことが大抵です。
ストライキをやっているときは
鉄道など→どうしても出掛けないといけない場合以外はRATPメトロは動いているならパリ観光に切り替える。
施設→翌日もクローズされる可能性もあることを視野に最新の情報をツイッターで確認しながらプランを切り替える。
と臨機応変な対応をされてください。