Miss Marple と Démodé
NHKの「世界は欲しいモノにあふれている」
三浦春馬さんが亡くなった後も鈴木亮平さんが上手くバトンを引き継いでくれてよかったなと思います。
そんな番組で取り上げられていたマリー=フランス・コーエン。
そう、merciの創設者でもあり、子供服のボンポワンの創設者。
今回調べてみて、2009年にmerciがオープンし、2013年に夫の死によりmerciを売却したことを知りました。なるほど、そこでセレクトが変わっんだと納得。当時あったコレットも段々と残念になってきたから余計に残念でした。
そしてDémodéもマリー=フランス・コーエンが手がけたといってなんか納得。
Démodéはマイヨール美術館へ藤田嗣治展を見に行ったとき「ここmerciっぽい」と気づいたところ。その日は日曜日でクローズでしたのであらためて出向いたのですがやはり素敵でした。DémodéはDé modé 流行遅れと訳されていることが多いですね。
ここに並んでいるのはもう流行、トレンドといった類ではなく、どんな時代の人が見ても「ああ美しい」と感じるものだけがセレクトされていました。そしてただ美しいだけの機能は無視といったものから、機能も備えているもの両方を扱っているのがすごかった。
そしてなんといってもショーウインドーを飾る商品の美しい並べ方!
束ね方とかとてもとても美しいのです。「やられた!」感で打ちのめされます。
merciはオープン当初、シグーの家具を中心に今とは比較にならないような美しい非日常と日常が隣り合っていて「さすがパリ」と思いました。しかしすぐに「東京でも見られないか?」という感じになってしまったのが残念で、でもこの時は行けても年に1回でしたからパリへ行くと必ずチェックしていたところ。在住し始めてからはその周辺の面白いところへ行くついでか、日本人作家の展示がある時だけと減ってしまいました。
Démodéには圧倒的感動があった時代のmerciの残滓が確かにありました。
こちらはボンマルシェの北側エリアで、ジャックジュナンを始めとしたパティスリーが集まっているエリアの外れなので知っている人も多いのではないでしょうか。
残念なことにどうやらDémodéはクローズするようでセールをしています。
Démodéへ行く前後に節約暮らしゆえにあまりカフェにも行けなかったけどマリー=フランス・コーエンが手がけたカフェがあると聞いて出かけたのがMiss Marple。
普段はお店に立つことがないご本人がスタッフとミーティングなのかな?そのために来ていたことがあった時は「サインして欲しいな」というくらい舞い上がりました。
そしてもちろんその空間は彼女のセンスに溢れたもので、そしてそんなに込み合うこともないので行くと1時間以上はゆっくりとしていました。落ち着きます。
エリアとしてアンバリッド、メトロでいうとLa Tour-Maubourgとエコールミリテールの間の大通りに面しているので、パリのカフェっぽい感じが薄いところ。外でお茶するというよりは店内に入った方がいいと思います。
コロナの時代になり、移動がしづらく、リモート中心になり海外旅行も大変な時代になりました。だからこそ暮らしをいかに充実されるかが大切になり、そうしたことを考える際にマリー=フランス・コーエンの暮らしを見させてくれたこの番組はとてもいいものでした。
キッチンにあったTOLIXの恐らくメイドインフランスのA-chair。わが家にもあるので
なんか嬉しくなりました。この季節の日本でもとても座ろうという気にならないくらいの冷たさなので座布団必須だけどどうされているのか気になりました。
最後にシグーですが、パリのホテルムーリス内のセドリックグロレのパティスリーの内装を手がけています。また気軽に旅行へ行けるようになったらチェックされてください。
久しぶりのパリの記憶備忘録でした。